コアラ(子守熊、学名:Phascolarctos cinereus)は、有袋類カンガルー目コアラ科コアラ属で現存する唯一の種。オーストラリア東部の森林地帯やユーカリの林などに生息している。

体色は背面が灰色で、腹面が白色、体長は約65cm-82cm、体重は約4kg-15kgである。北部に生息するコアラよりも、南部に生息するコアラの方が体が大きく、体毛の長さも長い。タンニンや油分を多く含むユーカリの葉を好んで食べる。

目次

分布

オーストラリアのクイーンズランド州ヨーク岬半島南部より、ニューサウスウェールズ州東部、ビクトリア州南オーストラリア州南東部に分布する。西オーストラリア州、タスマニア州には分布していない。分布域内では熱帯雨林、温帯のユーカリ林、疎林などに生息する。特に川沿いや海岸地帯に近い、肥沃な場所でユーカリ類に含まれるタンニンや油分が少ない場所を好む[1]。通常は単独性で、群れを作らない。

ヨーロッパ人到来によって分布域を急激に減少させ、1930年代までには、ヨーロッパ人入植前の50%にまでに分布域は減少した[2]。南オーストラリア州の個体群の一部には、州内外の個体群を再導入された個体群も含まれる[2]

分類

コアラはコアラ科コアラ属で現生する唯一の種である。化石種では他に同じ科の属、同じ属の種があり、西オーストラリア州南西部やオーストラリア中央部や北部において化石が発見されている[1][3]

最初の目撃記録
コアラの最初の目撃記録は、1798年1月26日にジョン・ハンターの使用人であったジョン・プライスがシドニーの西部の高地を探検している時であり、“先住民がCullawineと呼ぶ、アメリカのナマケモノのような生き物がいた”と記録している[4]。その後、1802年に、探検家のフランシス・バラリアーが、先住民が“colo”と呼ぶサルのような生き物がいることを記録している[4]
命名
1816年にフランスの動物学者であるブランヴィルが、コアラの属名そしてPhascolarctosを与えた[4][5]。これはギリシア語のphaskolosおよびarktosからきており、それぞれ“皮の袋”、“熊”という意味である[4][5]。また1817年にドイツ人の動物学者Goldfussが、種小名としてコアラにcinereusという名を与えた[4][5]。この言葉はラテン語から来ており、“灰色の”という意味。[5]
ウォンバット亜目
19世紀に、一時、同じ有袋類のウォンバットに近縁であるとされたが、1921年まではコアラは完全な樹上性であり、一方のウォンバットは地面に穴を掘る半地中性の生活を送ることから、議論の的となっていた[4]。現在は同じウォンバット亜目(Vombatiformes)に分類されている。

 

wikipediaより抜粋

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